INTERVIEW
企業インタビュー
現場と作るおもしろさ。ICTで幼児教育を支える開発現場の最前線
公開日:
2026/4/15 07:13

今や幼児期での利用も一般的となってきたタブレット教材。その多くが文字や数字での学習を促す教材である中で、ノンバーバル(非言語)教材をICTで実現しようとしているのが株式会社スマートエデュケーションです。
視覚や触覚などを使ったリアル学びとICTをどのように融合させているのか。今回は創業メンバーである取締役CTOの谷川裕之氏に、スマートエデュケーションのこれまでの歩みと開発現場の裏側をお聞きしました。
取材ご協力企業様
株式会社 スマートエデュケーション
https://smarteducation.jp/デジタル×教育のハードルに立ち向かうため会社を設立
――まずは簡単に、事業内容からお聞かせください。
スマートエデュケーションは、“エデュケーション”の名の通り幼児教育を軸に事業を行っています。幼児教育の枠組みの中で様々な事業を展開していますが、主要事業は以下の4つです。
【1】iPadなどのタブレット端末やスマートフォンを使用した子ども向けのデジタル教材の開発・運用
【2】園庭などの保育環境を整える建築事業
【3】保育の質と楽しさを高めるための教員向けサービスの開発・運営
【4】広報の代行として園児募集や職員採用を助ける広報事業
――幼児教育を主軸とされていますが、どのような思いで会社を設立されたのですか?
我々創業メンバーは元々、サイバーエージェントグループの子会社で様々な新規事業立ち上げに携わっていました。その中で教育関連の事業にもチャレンジしていたのですが、これがなかなか難しくて。設立当時の2011年頃、塾や教材関連の事業はすでにレッドオーシャンで、新しいチャレンジをするにはハードルが高かったんです。
しかし時代がガラケーからスマホに切り替わるにつれ、ガラケーには見向きもしなかった子どもたちがスマホやタブレット端末に興味を示しだしたんです。子どもとスマホ・タブレット端末は親和性が高い――。その発見から、「スマホやタブレットを利用した方向でもう一度教育事業にチャレンジしよう」と立ち上げたのがスマートエデュケーションです。

全国の保育施設を訪問。現場に向き合う泥臭さが魅力
――スマートエデュケーションが提供するサービスの特徴と強みを教えてください。
弊社のサービスはICTですが、結構泥臭い作り方をしているんです。園に伺い、先生方や子どもたちの意見や反応を見ながら作るという点は、大きな特徴だと思います。現場を見ていく中でいろいろな問題点を見つけて改善していくので、ITだけではなく園庭づくりなど、やり方にこだわらず新しい選択肢もどんどん提案しています。
どちらかと言うとシステマチックよりオーダーメイドに近いイメージですね。園ごとに教育方針や考え方も異なりますので、各園の保育状況や考え方に合わせてサービスを提供しています。これだけ現場と密に関わって相談しながらサービスを提供している会社はなかなかないと思います。
また、登園管理や先生のシフト管理などの業務効率化アプリを提供する企業は多くありますが、弊社が作っているのはあくまで教育・保育のためのサービスです。子どもたちと一緒に使うことを目的としている点は他社との大きな違いだと思います。
――実際に園に出向くことが多いということですが、これまでにどれくらいの保育施設に訪問されましたか?
正確な数は分かりかねますが、かなりの数になると思います。少なくとも全都道府県の保育施設には訪問させていただいています。弊社のターゲットとなる園は2万園ほどあるのですべてを訪問することは難しいですが、良い取り組みをされている園には積極的にお声掛けして訪問させていただいています。

誰もが発案者に。現場の声とチームで作り上げるやりがい
――御社のICT教材は、五感を刺激するような教材が多いですが、こうしたリアルな感覚をICTに落とし込むアイデアはどのように生み出しているのですか?
例えば「音を使ったアプリを作りたい」といった、アイデアの種のような提案を誰かがするところからスタートします。特定の誰かがアイデアを出すわけではなく、誰でもアイデアを出していいんです。いろいろなところから出てきたアイデアの種を現実のプロダクトにするため、チームで協力して具体的な案を出していきます。
開発チームのメンバーには皆それぞれ得意分野があり、見る視点も違います。1つのアイデアに対して様々な能力や視点から意見を持ち寄って、皆でブラッシュアップしていくイメージですね。

――どのようなフローで開発プロジェクトを進めていますか?
特に決まったパターンがあるわけではないですが、アイデアからプロトタイプを作成し、保育施設で実際に先生方や子どもたちに使ってもらうことでデータを取り、徐々にブラッシュアップしていくことが多いです。弊社では営業メンバーだけでなく、開発メンバーも積極的に現場訪問しています。新しいプロダクトを作っても、子どもたちがどんな反応をするかは実際に使ってもらわなければ分かりません。我々が意図した通りに使ってもらえるかを確認し、調整を繰り返して作っています。
プロトタイプ作成から大体2~3ヶ月ほどでリリースになりますが、それまでに月2〜3回は訪問しますし、リリース後も継続して様々な保育施設に協力していただきながらブラッシュアップしています。先生向けのサービスなどの場合も、現場訪問しながら開発することが多いですね。
実際に使用する先生方や子どもたちから直接フィードバックをもらえたり、自分たちが作ったものがどのように使われ、どう役立っているのかが直接見えたりするのは、エンジニアとして大きなやりがいがある環境だと思います。
――開発言語は何を使用していますか?
教材と言ってもゲームのような部分も多いので、当社ではUnityを使って教材開発をしています。モバイルアプリにはSwiftやKotlinを、バックエンドはRubyやGoを使用しています。

教育の知見は不要!技術よりチームワークと熱意を重視
――開発チームはどのような印象のチームですか?
弊社の開発チームの特徴は、専門外のことにも幅広く取り組む点だと思います。多くの開発現場では、エンジニアはプログラミング、デザイナーはデザインというように、各専門分野のみを担うことが一般的だと思います。しかし弊社では、エンジニアも営業と同じように現場に赴いてヒアリングや説明を行うなど、専門の壁にとらわれることなく作業しています。
――どのような方がスマートエデュケーションの開発チームに向いていますか?教育への知見は必要でしょうか?
周りを巻き込んでみんなでプロダクトを作り上げていくような環境なので、チームワークや主体性が求められるチームだと思います。技術的な側面で判断するよりも、「チームで一緒に事業や製品を作る」という思考を持った方に来ていただきたいと考えています。
教育への知見はなくても大丈夫です! 現メンバーも最初から教育の知見があったわけではありません。もちろん教育に興味を持っていらっしゃる方ならよりうれしいです。
世界中の子どもたちの“いきる力”を育てるために
――今年6月には設立15周年も迎えられますが、今後どのような展望をお考えですか?
まずは直近の目標として、導入園数5,000園を目指していきます。弊社はまだ新興企業のような立ち位置なので、もっと影響力のある企業になれるよう、さらに認知を高めていきたいです。
そして、日本で影響力を持ったら、次は世界を目指します。弊社では世界への展開も視野に、ノンバーバル(非言語)な教材づくりをしてきました。日本では少子化で園数も減少していますし、“世界中の子どもたちの「いきる力」を育てたい”のビジョン実現のためにも、世界に向けて展開していきたいです。
――最後に、スマートエデュケーションに興味を持った方に向けてメッセージをお願いします。
弊社では今、どんどん人材が増えて働きやすい環境が整ってきています。作ったものの社会的影響を実感しやすいですし、弊社のような事業をしている企業はなかなかないため、オリジナリティがあるおもしろい環境だと思います。エンジニアとしての選択肢もいろいろあるとは思いますが、エンジニアばかりではない環境でとても活躍できる環境なので、興味のある方はぜひご応募お願いします。

取材ご協力企業様
株式会社 スマートエデュケーション
https://smarteducation.jp/